虫歯や歯周病の予防とは「毎日歯磨きを頑張っている」「1ヶ月に一回歯科医院にお掃除してもらってる」といった事で達成できるものではありません。患者様が「なぜ病気になるか?」「なぜ病気になったのか?」という原因を知った上で、自ら生活習慣を変えようと行動し、それを習慣化しない限り病気を防ぐことはできません。
私たちはそのためにどうして虫歯になったのか?どうして歯周病になったのか?ということをお伝えし、患者様が病気に対しどのくらいのリスクがあるかを診断し、それに対して生活習慣をどう変化させるべきかを伝え助言をさせていただくのが私たちの務めだと考えております。
過去1年以内に虫歯の治療をしていたり、現在虫歯がある方はお口の中で歯が常に溶かされている環境となっています。そういった方はフッ素の使い方が間違っていたり、食事に問題があったり、歯磨きの仕方に問題があったり、唾液の量に問題があります。口腔内を確認させていただき、虫歯の確認と以前治療された修復物を確認し、問診を行うことで生活習慣のどこに問題があるかを一緒に考え、一つずつ習慣を変えて新たな虫歯の発生を食い止めるお手伝いをさせていただきます。
「うちの旦那は全然歯を磨かないのに歯周病になってないのに、なんで私は。。。」と言われる方も結構いらっしゃいます。このような研究があります。
「スリランカの茶畑で働く、口腔内が清掃不良で歯科にも通われたことのない労働者500人近くを15年近く観察していくと、8%の方が歯周病が重症化し、81%の方は中程度の進行を示し、11%の方は歯肉炎のみで歯周病は発症しなかった。」
15年間磨いていなくても、歯医者に通っていなくても、11%は歯周病にならない方がいらっしゃるということです。これは一人一人の歯周病に対するリスクが違うことを意味しています。
もうすでに重度な歯周病になってらっしゃればリスクは高いと言えます。歯周病のリスク診断は過去から現在に至る病気の進行を見て判断していきます。そこでリスクが高いと診断された場合は、再発しないように歯周病と一生うまく付き合っていかなければなりません。又、発症していない方はなるべく歯肉炎のうちに発見し、一早く健康に戻してあげることが重要です。このため歯周病は、早期発見早期治療が重要となります。
現在日本では30歳~50歳では約80%の方が歯周病になっていると言われてます。歯周病は症状があまりなく、「音もなく忍び寄ってくる病気」と言われ、重度に進行すると歯を失う恐い病気です。このため歯周病を早期に発見するためには、歯科医院を受診して頂き、手遅れになる前に病気を見つけなくてはいけません。又、歯周病の治療後も、歯ブラシやメインテナンスを怠ると歯周病は再発します。どこが習慣的に磨けていないかということを定期的にお知らせすることで歯周病の再感染を防いでいく必要があります。
私達が3ヶ月に一回お掃除をしても、お口の中の細菌を全て除去することはできません。歯周病も虫歯も細菌感染により引き起こされますので口腔内から完全に細菌をなくすことができない以上、毎日のセルフケアで患者様自ら細菌を減らし、自分のお口の中は自分でお守りいただく意識を持っていただくことが必要です。そのためのお手伝いをさせていただきたいと考えております。