長年にわたり顎関節症は咬合に起因する歯科疾患と考えられてきたことがあり、治療の中心はスプリント(歯ぎしり防止装置)、咬合調整、矯正、外科手術、補綴(被せ物)による咬合再構成でした。これらの治療介入で良くなった方もいましたが無効であった方も多かったのです。特に外科手術では悲惨な結果が数多くありました。
統計データによると75%の方が歯科医師の診察で、1つ以上の顎関節症の症状(関節雑音、開口障害など)を有し、33%は患者さん自身の自覚症状(顔面痛、関節痛、違和感)があったと言われてます。ただ、この内本当に治療が必要だったのは3~7%に過ぎなかったと言われてます。
最近の多くの研究から顎関節症は『治療をしなくとも長期的には改善する病気で、再発する
可能性はあるが最終的には症状が治まってしまう』病気であると言われてます。
このため矯正治療、全顎の補綴治療、外科処置などの高額な診療費がかかり、侵襲が大きく
後戻りができない処置は推奨されません。現在顎関節症の治療はリスクの少ない可逆的な治
療法を選択し、薬物療法、理学療法、スプリント、患者様へのセルフケア指導などを組み合
わせて行います。急性のクローズドロック(急にお口が開かなくなった)の場合は早期にお
越しいただければ、徒手的整復法により治せる場合がございますので、思い当たる症状が急
に生じた場合は早めに当院に連絡を下さい。
もちろん難治例もありますので、その場合は専門医と連携をとります。
顎関節症は深刻な状態に進行していくものではなく、徐々に消失していく病気です。治療の
ゴールは、日常生活が困難にならないように症状を緩和してあげることです。そのためのサ
ポートをさせて頂きます。
お困りの際は、是非堀部デンタルクリニックにご相談下さい。